IPv6アドレス と IPv6パケットの構造

IPv6のアドレス基本は、ここを参照してください。 IPv4とIPv6の比較

IPv6アドレス

アドレスの種類

ループバックアドレス: ネットワーク上において自分自身を表す仮想的なアドレス

グローバルユニキャストアドレス: インターネットで利用するためにホストに割り当てるユニークな番号で、
2000::〜3fff:ffff: ffff: ffff: ffff: ffff: ffff: ffff の範囲

ユニークローカルユニキャストアドレス:IPv4における、プライベートIPアドレスに相当する。
インターネットに接続されていないネットワーク内で自由に利用できる。

リンクローカルアドレス:自らの所属するネットワーク網のノード間をつなぐ線のことをリンクと言う。
つまり同一リンク上でのみ有効なアドレスです。IPv4では169.254.0.0〜169.254.255.255の アドレス領域。
リンクローカルアドレスは主にアドレス自動設定、近隣探索(IPv4のARPに相当)などに利用されます。

マルチキャストアドレス:マルチキャスト送信用のグループに対応させる識別子です。

エニーキャストアドレス:そのアドレスを持つ「一番近くにある」機器のインタフェースに配送されます。
これはひとつのアドレスを複数のインタフェースで共有させて実現します。(普通は複数の別機器に付与)
エニーキャストアドレスはユニキャストアドレス空間から割り当てられます。
これをホストに指定する場合、そのアドレスがエニーキャストアドレスであることを認識できるように設定する必要があります。
(エニーキャストアドレスはユニキャストアドレス空間から割り当てられるので、 この2つで表記上の区別をできない。)

IPv6でホストへ機器が自動的にIPアドレスを生成する方法としては、ステートフルとステートレスの2通りの方法があります。
ステートフルのアドレス割当てには、IPv4と同様にDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)が使われ、IPv6用にDHCPv6が定義されています。
ステートレスのアドレス割当てでは、SLAAC(StateLess Address AutoConfiguration)によってルータからRA(Router Advertisement)が送信され、RA内のプレフィックス情報を基に各機器は各自でIPv6アドレスを自動で生成する手法です。

IPv4とIPv6の両方のプロトコルスタックを実装する仕組みを「デュアルスタック」と呼ぶ。
対して、IPv4ネットワーク経由でIPv6デバイス間の通信を行う仕組みを「トンネリング」と呼ぶ。

IPv6パケットの構造

IPv4ではルータで受信したIPパケット内の「 TTL 」の値を1つ減算する処理を行う。 また、チェックサムを再計算してエラーチェックしています。 さらにIPv4ではヘッダ・サイズが不定長でした。
対して、IPv6ではヘッダ・チェックサムを省略し、 固定長の小さなヘッダを採用して、主にルータでの負荷を軽減している。
(イーサネットや無線LAN、光ファイバなど、現在一般的に利用されている通信メディアでは十分に通信の信頼性が高いと判断している)
また  これ以外にも、ルータでのフラグメンテーションの廃止(パケットの分断化は送信元でのみ行う。中継途中のルータでは行わない)、 ルータがチェックするべきヘッダの限定(ルータは基本ヘッダと、ごく一部の拡張ヘッダの内容しかチェックしない)して ルーティング・パフォーマンスの向上させている。

バージョン 6が記憶される。この番号はICANが管理
トラフィック・クラス IPv4のサービス・タイプ(TOS)と同じで、パケット送信時の優先度(QoS:Quality of Service)指定
フロー・ラベル IPv6より導入され、マルチキャスト通信における通信経路の品質を確保や、経路を優先的な選択指定に使用する。
ペイロード長 拡張ヘッダーとペイロード・データの合計サイズで基本ヘッダー部分(40bytes)は含まないパケットサイズ。 (IPv4ではヘッダーを含んだパケット全サイズを指定する形態でしたが、IPv6は基本ヘッダー部分を含まない形になりました。)
ペイロード 【 payload 】は「最大積載量」の意味の英単語で、通信パケットではヘッダー部分(行き先等の付加情報)を除いた、転送したい本来のデータ本体のことを指す。
ネクスト・ヘッダ このIPv6ヘッダーに続く、拡張ヘッダーや上位プロトコルのタイプ。
IPv4のプロトコル・タイプに類似する。IPv6では、使用頻度の低いくつかのフィールドは「拡張ヘッダー」部分に数珠つなぎで並べる。 (これにより基本ヘッダサイズを40byteの固定長にしている。)
ホップ・リミット Pv4のTTLと同じで通過可能なルータの最大数を制限する。ルータを1つ通過するたびに1ずつ減算される。 0になるとパケットは破棄され、送信元に対してICMPv6の「hop limit exceeded in transit」が返信される。
送信元IPアドレス と あて先IPアドレス 128bit幅(16bytes)