ホストに使えるIPアドレスとネットワークに接続できるホスト台数

ホストに使えるIPアドレス

IPv4のデータを送信する方式は、ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト、エニーキャストの4通りです。
ユニキャスト (Unicast) 一つのホストに対してデータ送る方式でメールやWebサーバ閲覧で使われる方式です。 (パケットヘッダ内の宛て先IPに、ホストアドレスを指定します。ホストのIPアドレスはクラスA,B,Cのいずれかです。)
マルチキャスト (Multicast) クラスDのマルチキャストアドレスで、ホストをグループに所属させて送ります。この場合所属グループのホストに同じデータを送ります。
ブロードキャスト (broadcast) ネットワーク内の全てのホストに対する同じデータを送る方法です。 この時のあて先にはホスト部を全て1にしたアドレスを使います。 (これはディレクティッド・ブロードキャスト・アドレスと呼ばれます。)
エニーキャスト (Anycast) 同一のエニーキャストが割り当てられるグループで、その中の最適な一台に送る。この技術を使うと、複数のノードで1つのIPアドレスを共有することができ、サーバを分散配置することが可能になります。

そして、上記のユニキャストに指定するIPアドレスが、ホストに使えるIPアドレスです。
(このアドレスが設定されていない機器はIPのプロトコルを利用できません。)
なおIPアドレスは、以下のように特別な意味を持つアドレス値があります。これらのIPアドレスはホストに指定できません。

127.0.0.1〜127.255.255.254 ループバックアドレス(自分を指し示す IP アドレス)
ホスト部がすべて0 ネットワークアドレスを意味し、ホストには使わないアドレス
ホスト部がすべて1 ネットワーク部のネットワークにつながっているすべてのホストに送るブロードキャスト用で、 これはディレクティッド ブロードキャスト(Directed Broadcast)・アドレスと呼ばれます。
なお、宛先が自分の所属するネットワーク内なら「ローカルブロードキャスト」、 他のネットワーク宛てなら「ディレクティッドブロードキャスト(ダイレクトブロードキャスト)」と使い分けることもあるようです。
全体がすべて1 ネットワーク番号を知らないホストが、あるサーバに尋ねる時のブロードキャスト用で、 これはリミテッド ブロードキャスト(Limited Broadcast)・アドレス または、 制限ブロードキャストまたはオール1ブロードキャスト・アドレスと呼ばれます。 (同じセグメント内という制限で、情報を送ります。 )
全体がすべて0 一般的には有効なIPアドレスとして利用できない。それより、未設定のデータの設定値として利用するケースがある。 (TCP/IPの設定を行う際に、自分自身を表すためのアドレスや、デフォルトの、「デフォルトルート」があります。 デフォルトルートとは、すべての経路を指し示す特殊経路のことです。 ルーティングテーブル上に一致するエントリがない場合は、デフォルトルートの転送先(ネクストホップアドレス)にパケットを中継します。) 

ネットワークアドレスとネットワークに接続できるホスト台数

以上より、ホスト部がすべて0と、ホスト部がすべて1のアドレスの2つは、ホストに使いません。 よって、そのネットワークに接続できるホストの最大数は、ホスト部で表現できる組み合わせ数から 2引いた値になります。

具体例で、192.168.128.92のIPアドレスで、255.255.255.192のサブネットマスクで示します。
以下では、これを2進数にしてAND演算して、ネットワークアドレスを求めています。

IPアドレス 11000000.10101000.10000000.01011100
サブネットマスク 11111111.11111111.11111111.11 000000
ネットワークアドレス 11000000.10101000.10000000.01 000000

上記ホスト部のビット数は、6ビットあるので、これで作れる組み合わせは64通りです。

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