多重アクセス制御方式のひとつで、トークンパッシング (token passing)と
呼ばれるものがあります。これは、信号の「衝突」を避けて効率よく
送信権を分散させるための方法です。
これはトークンと呼ばれる信号を巡回させ、
その信号を受け取ったコンピュータだけが信号を送れる仕組みです。
まずフリートークンと呼ばれる「送信権」データをネットワークを常に周回せます。
このトークンを取り込んだ時点だけ、そのホストデータを送信でき、
このトークンはビジートークンと呼びます。
情報が載ったビジートークンは自分宛のアドレスである場合だけ取り込める仕組みになっています。
よって、同時に複数のフレームが「衝突」するこことがない仕組みになっています。
CSMA/CDのEthernetでは、通信情報の同時送信が起きることがあり、
それによる信号の衝突で通信効率が落ちます。
そこで、衝突を起きないようにするため、
アクセス制御にトークンパッシング方式を使った方式があります。
主にリング型で使われ、この場合はトークンリング方式と呼ばれ、
以下のアニメーションで示します。(バス型の場合はトークンバスと呼ばれます。)
Ethernetで使われるCSMA/CDと並んで有名なアクセス制御方式です。
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赤の部分がデータです。
上記トークンリング方式は、HUBが高価であることや、転送速度(4M/16Mbps)が遅いため、
現在ほとんど使われませんが、
この考え方を光ファイバーに発展させたFDDI(Fiber-Distributed Data Interface)が生まれています。
二重リング構成になっており、一方のリングが故障した場合に
もう片方だけでも運用可能です。
また、最大伝送速度は100Mbpsですが、両リングを使う時は伝送速度を 200 Mbps に広げることも
がでます。(最大伝送距離は2km)
Gigabit Ethernetの普及により、使われなくなりつつありますが、
信頼できるネットワーク構造であると言えます。