ルーティング(ルータの本質的機能)

ルータは、『ネットワーク』『ネットワーク』を接続する中継装置です。
それは、ルーティング(経路制御)機能によってIPパケットをフォワーディングします。 フォワーディング(forwarding):パケットを送り出すことを言います

IPパケットを受け取ったルータは、最終目的地までの経路を知っているわけではありません。 内部に存在する経路制御表(routing table:ルーティングテーブル(経路制御表)) または転送データベースと呼ばれるものを参照し、 IPパケット内の宛先ネットワークアドレスから、どのポートに出力するか調べて、 見つかったポートに送出します。

ルーティングテーブルには、宛先アドレスに対し、 そこまでの距離、 そこへ中継する次のルータのIPアドレス、 そのルータへ繋がっているポート が記憶されています。 つまり、受け取ったIPパケットの宛先で、ルーティングテーブル内の宛先アドレスに一致する所を 検索し、対応するポートにフォワーディングしています。よって、ルーティングテーブルのデータが 経路制御(ルーティング)の要になります。
なお、デフォルトルート(またはデフォルトゲートウェイ)と呼ばれるアドレスがあります。 これはルーティングテーブル検索で送り先が見つからない場合に、 IPパケットをそこへ送ることになっています。
このデフォルトルートのIPアドレスは、ルーティングテーブルで0.0.0.0defaultの表記が使われます。

ルーティング

受信したIPパケットのあて先IPアドレスを基に、 適切な経路へのポートを選択して送りなおすわけですが、具体的にはルーティングテーブルと 呼ばれる表に従って行われます。
現実的ではありませんが、以下でのネットワーク例で示します

上記ネットワークにおいて、ルータ A のルーティングテーブル例を以下に示します。

上記のルーティングテーブル(経路制御表)の例
destinationnexthopinterface種類
172.16.20.0/24なし 172.16.20.1ネットワークルート
192.168.254.0/24なし192.168.254.7ネットワークルート
192.168.252.0/24なし192.168.252.2ネットワークルート
218.221.131.0/24192.168.252.3 192.168.252.2ネットワークルート
10.1.1.8192.168.254.1192.168.254.7ホストルート
default192.168.252.3 192.168.252.2デフォルトルート

この例では、受信したパケットのあて先( destination )IPアドレスに対して、 送るべき中継ルータ( nexthop:ネクストホップ )のIPアドレスと、 それに接続しているルータA自身の接続コネクタ( interface )のIPアドレス(名前を使う場合もあります)が 記録されています。
(パケットがルータを超えて異なるネットワークセグメントへ通過することをHopと呼びます)

例えば、172.16.20.3から送られたフレームがルータ A に届くと、 パケットの中のあて先IPアドレスで、 このテーブルの destination に適合する箇所を探し、 nexthop:ネクストホップ のルータに届くようにフレームが作り直されて、 その行で示される interface のコネクタから送出されることになります。

なお、上記のあて先( destination )指定は、 ホストルート、ネットワークルート、デフォルトルートに分類されます。
あて先ホストのIPアドレスを直接に指定するホストルート、 あて先ホスト群が属するするネットワークアドレで指定するネットワークルート、 それらいずれでもない場合の送り先を指定するデフォルトルートです。

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