レイヤー3で使われる論理アドレスはIPアドレスが使われます。
このIPアドレスを割り振ったマシンやルータの装置をホストと呼びます。
そしてIPパケットに情報を入れて、ネットワークとネットワークをルータまたはL3スイッチで伝達します。
単に各ホストをレイヤー2のハブで繋いでも、IPパケットを送り合うことはできません。
ホストが正しくネットワークに所属するように、IPアドレスをホストに設定しなければなりません。
ここではその理屈と、IPアドレスの構造やネットワークアドレスの意味を理解してください。

ネットワークとネットワークアドレスとルータの関係

さまざまなネットワークを結びつけて、インターネットが作られています。
しかし世界中のネットワークの情報を同時に受信できるようなマシンは作れません。 なぜなら、世界中で発信される膨大な情報量が、処理しきれないからです。
(仮にデータリンク層だけで すべてのマシンを一つのネットワークすると、ARPなどのブロードキャストフレームは 世界中すべてのマシンに送信されることになりますが、このような能力のハードウェア自体が無理ですね!)
そこで、各マシンに送られる情報を制限する仕組みが必要になります。
(実際は、データリンク層で作られる繋がりの範囲が、直接に送ることが可能な範囲で、 このハード的な構造が制限する仕組みになっています。)

まずマシン同士は、同じグループに属している同士の範囲でしか直接に通信できない仕組みにしています。
例えば、次のイメージにおいて、色でグループ分けしたとします。

←『未選択』の箇所を選択してから評価ボタンをクリックしてください

そして他の色のマシンと通信する場合は、イメージ中央のルーターにお願いする仕組みにしています。
それには、ハード的な細工とソフト的な細工を施します。
ハード的な細工とは、ケーブルの配線などを意味します。
ソフト的な細工では、 ネットワークアドレスの指定を行います。
それによって、同じネットワークアドレスを指定したマシン同士が、 同じネットワークに属したことになります。
つまり、上記のイメージで同じ色になったことになります。
そして IPパケットと呼ぶ入れ物で宛て先IPアドレスを指定すると、 宛て先IPアドレスが所属するネットワークへ伝達できるようにしています。
では同じネットワークアドレスを指定してネットワークを作るには、どうしたらよいでしょうか?
それは、ホストに割り当てるIPアドレスの設定によって決まります。
IPアドレスは宛て先のホストを指定するためのものですが、同時にそのホストが所属するネットワークが分かるように 次の構造になっています。

IPアドレスの構造
ネットワーク部 ホスト部

ネットワーク部でそのIPアドレスのホストが所属するネットワークを指し示します。
そしてホスト部が、そのネットワーク内の一つホストを指定するための情報です。

つまり、IPアドレスで「どこのネットワーク内」にある「どのホスト」が分かる構造になっているのです。
IPアドレスのサイズはIP ver.4(バージョン4)の4byteから、IP ver.6(バージョン6)の16byteと変化していますが、この構造は変わっていません。
変化があるのは、IPアドレス内の ネットワーク部がどの範囲か? という部分です。
IP ver.4の黎明期において、4byteのどの範囲かを指定する方法は、次に示すクラスフルアドレス方式が使われました。
その後、不足するネットワークに対応できるようにサブネットマスクにより ビット単位でネットワーク部を指定するスタイルに変化しています。

なお IP ver.4では、ホスト部を全て0にしたアドレス をネットワークアドレスと呼び、 ネットワークを指定するアドレスとして使われます。
またホスト部を全て1にしたアドレスをブロードキャストアドレスと呼び、 指定ネットワーク内の全てのホストに送信する場合に使われます。
よって、この2つのアドレス(ネットワークアドレスとブロードキャストアドレス)は、ホストのIPアドレス設定には使えない規則になっています。

  クラスフルアドレス方式 (IP ver.4の黎明期のIP割り当て規則で、考え方の基本です。)

同じネットワークに属するように、各ホストで IPアドレスを正しく設定しなければなりません。
それには、そのネットワークに属するホストのIPアドレスを、共通のネットワーク部になるように設定します。
以下で説明するクラスフルアドレス方式は、IP ver.4の黎明期の規則ですが、現在の規則の基になる考え方です。
この方式は、IPアドレスだけでネットワーク部の範囲が分かるようになっていました。
但し、ネットワーク部の範囲サイズは、1byte(クラスA)、2byte(クラスB)、3byte(クラスC)の3種類だけでした。

現在一般に使われているIPv4のIPアドレスは4byteで、 表記する場合は、1byteごとの10進数をドットで区切ります。
例 192.168.0.1
これを、2進数で表記すると次のようになります。
11000000.10101000.00000000.00000001
この最上位ビット(上記であれば110の部分)の並びで、 クラスフルアドレス方式では次のように決められています。
最上位1ビットが0ならクラスA
最上位2ビットが10ならクラスB
最上位3ビットが110ならクラスCにする。

よって、上記 192.168.0.1の例であれば 192が、11000000なので、クラスCを意味します。

そしてクラスにより、ネットワークアドレス部とホスト部は次のように決められています。
クラスAなら先頭の1byteがネットワークアドレス部分、残りの3byteがホスト部です。
クラスBなら先頭の2byteがネットワークアドレス部分、残りの2byteがホスト部です。
クラスCなら先頭の3byteをネットワークアドレス部分、残りの1byteがホスト部です。

なお、ホストのに割り付けるIPアドレスではないのですが、クラスDクラスEが 次のように決まっています。
上位1ビットが1110ならクラスD
上位2ビットが1111ならクラスEです。
後述しますがクラスDはマルチキャスト用のアドレスで、クラスEは調査研究用になっています。

よって、上記 192.168.0.1の例であればクラスCなので、 192.168.0の部分がネットワークアドレス部で1がホスト部としたIPアドレスという訳です。
このホスト部は8bitなので256個のビットパターンが作れますが、 ホスト部を全て0にしたネットワークアドレスと、ホスト部を全て1にしたブロードキャストアドレスの 2つビットパターンはホストのIPアドレス設定に使えないので、2を引いた254個のビットパターンに対応したホストが 存在できます。
つまりこのクラス分けは、ネットワークに所属可能なホストの台数を指定しています。(所属可能な台数は、ネットワークの大きさを意味する。)
各クラスのネットワークのサイズは次のように求められます。

クラス所属可能なホストの最大個数
クラスAホストサイズが 24bitなので、224-2 の 16777214 台
クラスBホストサイズが 16bitなので、216-2 の 64434 台
クラスCホストサイズが 8bitなので、2 8-2 の 254 台

この黎明期に決められたクラスフルアドレス方式では、ホストアドレスが足りなくなり、 現在ではサブネッティング方式が使われています。 それは、IPアドレスとそれ以外に、サブネットマスクを設定できるようにして、 これでネットワークアドレス部を指定できる仕組みにしています。